
Jootoによる情報共有と業務の可視化で属人的な業務管理から脱却
ひと月あたり約50時間の工数削減を実現
抱えていた課題
「現在、誰が何をしているか」を把握するのに時間がかかっていた。
業務管理を個人単位で管理していたため、管理方法にばらつきがあった。
属人的な業務管理により個人への責任負担が大きくかかっていた。
解決したこと
進捗状況が明確になり適切なタイミングで作業依頼をできるようになった。
担当者不在でも他のメンバーが対応できるようになり業務の属人化が解消。
情報を一元管理できるようになり、情報共有の時間及び業務そのものにかかる時間が大幅に短縮。
東京都千代田区に本社を置く住商アーバン株式会社は、住友商事グループの商業施設事業の一翼を担う会社として1997年に誕生してから、約四半世紀にわたり商業施設や、その他集客施設のプロパティマネジメント(PM)を事業領域としている。同社アカウンティング・マネジメント・センターでは属人的な業務管理により、担当者への負担増加や進捗状況の把握に時間がかかるなどの課題を抱えていた。この状況を打破するために、Jootoを導入。今回は、センター長の柴良彰(しば・よしあき)さんとセンター長付の秋田由美子(あきた・ゆみこ)さんに、導入の経緯と効果について聞いた。
商業施設の活性化が利益につながる
売上連動型の賃料システム

― 御社について教えてください。
柴 「この街を、また来たくなる空間に。」をモットーに、「テラスモール湘南」「エミテラス所沢」「晴海トリトン」など商業施設の運営管理を行うPM(プロパティマネジメント)会社です。オーナーから委託を受け、テナント誘致から運営管理、施設設備の管理そして賃料回収から運営費用の支払い処理まで総合的なサービスを提供。商業施設の価値向上と地域発展に貢献しています。オーナーは単独企業からJ-REITまで多岐にわたります。
― Jootoを利用している部署について教えてください。
柴 私たちは「アカウンティング・マネジメント・センター」に在籍しています。アカウンティング・マネジメント・センターは、商業施設におけるお金周り全ての管理を担う組織です。具体的には「賃料等諸経費計算」「未収金回収・管理」「運営経費の支払い処理」「収支報告書の作成」などを行なっています。
商業施設は、テナントの売上高に連動した賃料システムを採用しています。テナントの売上がオーナーの収益に直結する仕組みですので、施設全体を活性化させて、売上を上げていくことが関係各所の利益につながります。
SSOをはじめ必要な機能を全て搭載
直感的な操作性も決め手に

― 導入前の状況について教えてください。
秋田 以前は各担当者が独自の方法で業務管理を行っていました。月1、2回のチーム会議で各々の予定や業務内容を確認し、Excelで新規や退去テナントの情報などといった基本データを共有していました。しかし、日々の具体的な業務管理は各個人が独自で管理していたため、社員によって管理方法にばらつきがありました。
柴 各施設に1名の担当者を配置して個々でスケジュール管理を行なっていたため、情報共有がされておらず、何かあっても担当者がひとり悩むという状況でした。特に月末月初の繁忙時期は担当者が「自分がいないと業務が回らない」という中で、担当者が体調不良などで他のメンバーが業務を引き継ごうとしても進捗状況が把握できず、フォローできない状況でした。
― Jootoを採用した決め手を教えてください。
秋田 Jootoは私たちが使いたい機能を全て備えていました。ITスキルに関係なく誰でも使える直感的な操作性にも着目。「進捗状況の可視化」「タスクの細分化」「チェックリストと期日設定」「通知機能」など、比較検討したツールの中でこれらの機能をスムーズに使えたのがJootoでした。
柴 「SSO(シングルサインオン)」でログインできる点もポイントでした。当社のセキュリティポリシーにおいて、SSOによるログインは基本要件。SSOで認証することで、当社のセキュリティ管理下にないネットワークからのアクセスを制限できます。JootoにSSOによるログイン機能がなければ、導入は困難だったと思います。
作業を終えた担当者がタスク移動
「回覧板」形式で進捗情報を共有

― どのような場面でJootoを活用していますか?
秋田 各チームにおける月次定例業務管理に活用しています。各商業施設をプロジェクトボードとして設定し、業務フローに沿ってリストを配置。リストの名称は「担当者」にしています。承認プロセスの性質上、タスクが複数の担当者間を循環することもあります。
タスクは「請求書発行」「収支報告」といった業務単位で作成し、タスク内のチェックリストに各担当者の作業内容をまとめています。各担当者は作業完了後にチェックを入れ、次の担当者のリストへタスクを移動。書類確認が必要な案件では、書類とタスクをセットで動かしています。
― 作業を完了した人が次の担当者へタスクを移動させる「回覧板」のような使い方ですね。
秋田 そのとおりです。進捗確認を兼ねて日常的に声かけや、コメント機能でリマインドを送り合っています。
柴 タスクについては、作業を完了した担当者が必ず移動するようにルールを定めています。他の人が代わりに動かすのはNG。タスクが動いていないことに気づいたら、直接声をかけるようにしています。
例えば私がタスクを動かしていないことに秋田が気付いたとします。秋田としては、気を利かせて移動したくなるかもしれません。しかし、そこで秋田が動かしてしまうとタスク管理の意味がなくなります。タスクを動かしていないことに気付いたら、遠慮なく私に「タスクがまだ動いていません」と指摘してもらうように徹底しています。
秋田 実はJootoの利用ルールを最初に設定した際、ある程度自由に使ってもらいたいので細かくルールは定めていなかったのですが、「タスクを移動させるのは作業を完了した者が必ず行うこと」は守るようこだわりました。そうでないと、このワークフローが機能しなくなってしまうので。
柴 なので容赦無く「タスクが動いていません」「動かしてください」とのコメントが私にも届きます。動かすのをつい忘れてしまうこともあるので気を引き締めなくてはならないと自戒しています。
適切なタイミングでの声がけで
月末の〆切重複による混乱も解消

― Jooto導入における効果についてお聞かせください。
柴 「ここまで完了している」「ここから継続すればよい」といった作業の進捗状況を部署全体で把握できるようになりました。管理職の立場としては、各タスクの着手日と〆切を設定して作業の進捗状況を明確にしたいとの思いがありました。
例えば〆切が月末までの提出物がある場合、多くが月末の定時直前に提出してくる傾向にあります。このタイミングで一斉に提出されてしまうと、正直なところ管理職としては難儀なところです。Jootoで進捗状況を明確にしたことで、適切なタイミングで作業依頼をできるようになりました。担当者不在でも他のメンバーが対応できますし、異動時の引き継ぎもスムーズになりました。
秋田 メンバー間でタスクの着手時期を明確には共有していなかったので、「そろそろ始める時期だけど、取り組んでいるのかな」と気になることもありましたが、Jootoの導入によりそうした不安も解消されました。タスクの担当者と進捗状況が明確になったことで、業務の抜け漏れの心配もなくなり、複数のボードを管理していてもタスクの状況が一目で分かるため、見落とすことなく業務を進められています。
また、これまで「業務内容」「スケジュール」「報告事項」「注意事項」などを一元管理できるようになったため、情報共有にかかる時間も大幅に短縮されました。結果、1人あたり1ヶ月で1時間、約50人のメンバーが所属しているため部署内全体でひと月あたり約50時間の工数削減が実現しました。
― Jootoを社内で定着させるために行ったことは何ですか?
秋田 Jootoのヘルプページから必要部分を抜粋し、社内ルールを追加してマニュアルを作成しました。月初の繁忙期における締切管理を重視し、現在のテンプレートを採用。導入は段階的に進め、各ステップで説明会を行いました。まずは1つの物件を1つのボードで管理し、その物件の担当者4人で使用することから始めました。
柴 秋田が作成した雛形を各物件の特性に合わせて調整していきました。メンバーは自主的にロゴやマークを追加。業務別の色分けも自然と定着していきました。
秋田 色分けは自然と決まっていきました。管理職は赤、部長は紫など役職別に色を統一。ラベルについては、メンバー内でアレンジして活用している様子です。「ガチガチ」にルールを定めるのではなく、大枠を決めた上で細かい部分は各担当者の裁量に任せています。
「モノ」から「体験」へ
変化する商業施設へ対応できる体制に

― 今後、どのようにJootoを活用したいとお考えですか?
柴 関連部署にも展開していきたいと考えています。昨今は、企業のシステム導入における考え方が大きな変化を遂げている印象です。これまでは多機能な統合システム1つを導入すれば良かったのが、今は特化型のシステムを複数組み合わせて使用するのが主流になりつつあります。私たちとしても社内で運用しているさまざまなシステムツールを相互連携させて、業務に活用する方法を模索しています。Jootoにつきましても、今後導入予定のツールとの連携を検討中です。
― 会社もしくは部署として目指しているものは何ですか?
柴 商業施設は単なる「モノの消費」の場ではなく、地域住民が「時間を消費し、多様な体験」を求める複合的な空間に変化しつつあります。当社の役割は、オーナーと協力して地域に根差した商業施設を創造し、その価値を高めていくことです。変化に対応するために、私たちはJootoをはじめとするツールを活用してナレッジマネジメントを進めています。今後も引き続き、多様な事業形態と変化に誰もが対応できる体制づくりを目指します。


社名 | 住商アーバン開発株式会社 |
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従業員数 | 196名(2025年3月現在) |
事業内容 | 商業施設の企画開発・運営管理 |
URL | https://sumisho-ud.com/ |